金属加工業では切削油や研削液などの工業用油が使用されています。
そんな工業用油が手や腕に付着し手荒れやかぶれを起こしてしまう方が多くいます。
工業用油に触れないことで防ぐことができますが、作業内容によっては触らざるを得ない作業もあります。
では、どのように対策していけばいいのでしょうか?
本記事では金属加工業の接触性皮膚炎の症状と対策について解説していきます。
接触性皮膚炎とは?
皮膚に何らかの物質が触れることで刺激を受け、赤みや痒みなどの症状を伴うことを接触性皮膚炎と言います。
接触性皮膚炎は「かぶれ」とも呼ばれ洗剤や金属などが主に原因となり発症します。
主に2種類に分かれており刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎があります。
刺激性接触皮膚炎は触れたものの刺激によって表れる恐れがあり誰にでも可能性があります。
一方、アレルギー性接触皮膚炎は特定の物質にアレルギー反応を起こす人だけが発症するものとなっています。
接触性皮膚炎の症状
接触性皮膚炎は刺激を受ける物質やアレルギー物質が皮膚に付着した際に痒みや赤みを生じます。
また、時には湿疹や水ぶくれを伴い、場合によっては激しい痛みとなります。
長期間放置すると、ただれや膿となるため早期から治療を行うようにしましょう。
金属加工業における接触性皮膚炎の原因
金属加工業における接触性皮膚炎の原因は主に工業用油を使用することです。
特に金属加工では切削油や防錆油などの様々な油と薬品を使用します。
油には脱脂作用があり皮膚を乾燥させ、肌が刺激を受けやすくなります。
乾燥した皮膚に油や薬品などが付着することでかぶれを起こしてしまいます。
また、作業者は油や薬品の使用を避けることは難しく絶えず刺激を受け続けてしまいます。
そのため、肌の回復も間に合わず絶えず刺激を受けてしまい悪循環となってしまうのです。
接触性皮膚炎の対策
金属加工業における接触性皮膚炎の対策
金属加工業で避けては通れない工業用油との接触ですが、いくつか対策する方法があります。
接触性皮膚炎の対策方法を見ていきましょう。
手袋やアームカバーを着用する
接触性皮膚炎を防ぐためには、刺激物が直接皮膚に触れないようにすることが効果的です。
ゴム手袋やアームカバーを着用することで刺激物が直接皮膚に触れないようにしましょう。
しかし、ゴム手袋は人によってはアレルギーを起こす場合があるため注意が必要です。
ゴム手袋を着用する際には布手袋を着用してからゴム手袋を着用するのがおすすめです。
ただし、金属加工では回転工具などによる巻き込みの可能性があります。
そのため手袋を着用する際には細心の注意を払ってください。
作業前にプロテクトクリームや保護クリームを塗る
作業内容によっては手袋やアームカバーの着用が難しい方もいらっしゃると思います。
そんな方は作業前に保護クリームなどを肌に塗り込み、皮膚を保護しましょう。
保護クリームには手や肌をコーティングする成分を配合している製品があります。
コーティングされることで刺激物が直接皮膚に触れることから防いでくれます。
また、作業中の汚れがつきにくくなり手洗いの回数を少なくする効果も期待できます。
クリームは作業や手洗いによって落ちやすいためこまめに塗り直すことが必要です。
刺激の少ない油や洗剤を使用する
切削油や手洗い洗剤などはできるだけ刺激の少ないものを選ぶと良いでしょう。
現在では、手荒れ対策の切削油や刺激の弱いハンドソープなどが売られています。
かぶれや手荒れに困っている方は一度試してみてはいかがでしょうか。
しかし、切削油の変更により手荒れを起こしてしまう場合もあるため慎重に判断しましょう。